前回の記事では、NISAという「非課税の入れ物(箱)」について解説しました。
「じゃあ、その箱の中に何を入れればいいの?」と思いませんでしたか。
今日は、その答えとして多くの初心者に選ばれている「オルカン」について、できるだけわかりやすくお伝えします。

- NISAは分かったけど、何を買えばいいか分からない人
- 「オルカン」って聞くけど意味が分からない人
- 「インデックス」という言葉もいまいちピンとこない人
- 銘柄選びで迷って、なかなか一歩が踏み出せない人
そもそも「オルカン」って何?
「オルカン」とは、「オール・カントリー」の略です。
正式名称は「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」といいます。これ1本で、世界中の会社に少しずつまとめて投資できる金融商品です。
「全世界株式」というくらいなので、投資先はアメリカだけではありません。日本・ヨーロッパ・アジアなど、世界数十ヵ国の株式がひとまとめになっています。
なぜ初心者に選ばれるのか(3つの理由)
投資初心者にオルカンがよく選ばれる理由は、大きく3つあります。
① これ1本で世界中に分散できる
投資の大原則は「卵を一つのカゴに盛るな」です。1社だけに全財産をつぎ込めば、その会社が傾いたとき大打撃を受けます。
オルカンは、世界数千社の株を一度に保有する商品なので、1本買うだけで自動的に分散できます。
しかも、中身は自動で入れ替わっていきます。たとえば、大きな話題になったスペースXの上場のように、新しく上場した大企業も、基準を満たせばオルカンの定期的な見直しで自動的に組み入れられていきます。わざわざ自分で銘柄を探して慌てて買わなくても、気がつけば中に入っている。これがインデックス投資の心強いところです。
② ほったらかしでOK
オルカンは「インデックスファンド」という種類の商品です。
「インデックス」とは、ざっくり言うと市場全体の平均点(指数)のことです。「世界の株式市場の平均点に、まるごと乗っかる」イメージですね。だから個別の会社を当てにいく必要がありません。
プロが自動的に世界中の株を入れ替えながら運用してくれるので、毎日チャートを確認したり、売り買いを判断したりする必要がありません。毎月自動で積み立てて、あとはほったらかし。それだけでOKです。
③ 手数料が激安
投資信託には、保有しているだけでかかる「信託報酬」という費用があります。eMAXIS Slim 全世界株式の信託報酬は年率約0.05775%(2026年時点)。100万円持っていても年間約578円という水準です。
別の種類の商品(アクティブファンドなど)と比べると、圧倒的に安い。長期投資においてコストは大きな差になるので、ここは重要なポイントです。
ちなみに「どこで買うか」も大切です。同じオルカンでも、購入時の手数料や貯まるポイントは金融機関によって変わります。私はSBI証券、妻は楽天証券というネット証券を使っています。なぜネット証券を選んだのかは、また別の記事でくわしくお伝えしますね。
お弁当で例えると
少し脇道にそれますが、私が気に入っているたとえ話があります。
オルカンは「幕の内弁当」です。
幕の内弁当には、ご飯・魚・卵焼き・野菜・煮物といろんなおかずが少しずつ入っていますよね。1つ食べても栄養が偏らない、バランスの取れたお弁当です。
対して、個別株への集中投資は「唐揚げ弁当」です。唐揚げが大好きなら最高においしい。でも唐揚げが傷んでいたら、それだけで全部アウトです。それに、唐揚げばっかり食べていても体に悪いですよね。1点集中には、そういうリスクがあります。
NISAという「お弁当箱」に、オルカンという「幕の内(バランスのいい中身)」を入れる。これが初心者にとっての基本形です。
「世界中」ってどんな感じ?
オルカンの中身の内訳は、アメリカが約6割を占めています。AppleやMicrosoft、Googleなどの大手テック企業も含まれます。残りの4割は日本・ヨーロッパ・新興国などです。日本でいえば、トヨタやソニー、任天堂といったおなじみの会社も含まれています。
つまりオルカンを買うということは、「世界経済全体に乗っかる」というイメージです。
そして私が長期で持ち続けられる理由が、ここにあります。人類が発展していく限り、世界はゆるやかにインフレ(モノの値段が上がること)を続けていきます。インフレは長い目で見れば株価の上昇につながるので、世界全体が成長を続ける以上、株価も基本的に右肩上がりになっていく仕組みです。
もし世界中で核戦争が起きて地球が滅亡寸前になれば、株価は暴落どころか価値そのものがなくなるでしょう。でも、そこまでの事態はさすがに考えにくい。逆に言えば、その株が紙くずになるのは「世界が終わるとき」くらいだということです。
もちろん、金融ショックが起きれば数年から数十年単位の下落・停滞は十分あり得ます。それでも「世界全体は長期で成長する」という土台を信じられるかどうか。ここがオルカンを持ち続けられるかの分かれ目です。
私もオルカンを積み立てています
以前の私は、余裕資金の範囲で、FXで「当てにいく」投資もしていました。毎日チャートを見て、予想を立てて、一喜一憂する。そんな日々もありました。
今は、投資の”土台”をオルカンの積み立てに置いています。毎月一定額をコツコツ積み立てて、この部分は基本ほったらかし。チャートも見ません。(そのうえで、日本の高配当株や仮想通貨なども、別枠で少しずつ持っています)
投資の土台を「当てにいかない形」にしてから、夜はぐっすり眠れるようになりました。こんなに気楽だとは思っていませんでした。
正直な注意点も伝えます
オルカンも万能ではありません。正直にお伝えします。
- 短期では大きく下がることもある。リーマンショックやコロナショックのような暴落は、今後も必ず来ます。
- 元本保証はない。銀行預金とは違い、損失が出る可能性もあります。
- 長期視点が必要。短期で増やしたい人向けの商品ではありません。
だからこそ、投資を始める前に生活防衛費(半年〜2年分の生活費)を手元に残しておくことが重要です。「いざとなれば使えるお金」があってこそ、暴落時にも売らずに持ち続けられます。
▼ 生活防衛費ってどれくらい必要?という方はこちら

今日のまとめ
- オルカン(全世界株式)は、1本で世界中に分散できる商品
- 「分散・ほったらかし・低コスト」の三拍子が揃っている
- NISAの箱の中身として、初心者の定番の選択肢
- 暴落は来るので、生活防衛費を確保したうえで始めるのが原則

「何を選べばいいか分からない」で動けない時間がもったいないです。迷ったらまずオルカン。それで十分なスタートが切れます🌳
次回:オルカンとS&P500、結局どっちがいい?
「オルカンが良いのは分かった。でもS&P500の方が成績いいって聞くけど?」という疑問、よく出てきます。次の記事では、この2つを比較して初心者にはどちらが向いているかを解説します。
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