
「NISAを始める前に」もう1つ大事なことがあります。それは「どこの証券口座で始めるか」です。この記事は、ゆうちょ銀行でNISAを続けている義理の母に、僕がネット証券を勧めた話をもとに、みなさんにも役立つように全体向けに書いたものです。
- 銀行や郵便局の窓口でNISAを始めた方
- 家族に投資を勧めても、なかなか動いてもらえない方
- NISAは始めたけれど、手数料を意識したことがない方
義母のNISAで、僕が気になっていること
先日、義理の母がこう言いました。「私も、ゆうちょ銀行でNISAをやってるよ〜。今、めっちゃ増えてるね〜」。とても嬉しそうでした。「窓口の人が親切に教えてくれたから」とも話していました。
投資を始めてくれたこと自体は、本当に良いことだと思います。でも正直に言うと、僕はこの「ゆうちょで」という一言に、少しだけ違和感を覚えました。
話を聞いていて僕には一つだけ引っかかっていることがありました。それは手数料です。正確に言うと、「持っているだけで毎年かかる費用(信託報酬)」のことです。
窓口は選べる商品が限られていて、いちばん低コストなタイプの商品が選べていないことがあります。ネット証券で購入する際は、人を介しませんよね?メガバンクや地銀、ゆうちょなどは、窓口でいつでも親切丁寧に従業員が対応してくれます。=人件費がかかっていますよね?その分を回収しなければ成り立たないので、銀行側にとって利益となる商品を売られることになります。
そもそもNISAは利益が非課税になる制度ですが、毎年の費用が高ければ、その分だけ手元に残るお金は少なくなります。言い方が悪くなりますが、非課税の利益分を銀行側に分け与えているお人好しさんになっているのです。
この辺りが難しいところで、多くの人はNISAの本質を理解しないまま、「みんながやっているから、とりあえずやっておこう」で始めてしまいます。ネット証券はよくわからないし、なんだか怖い。それなら、窓口で親切に教えてくれるところでいいや、となるわけです。手数料は、いわばその「安心料」としてかかっているのかもしれません。
同じNISAでも、”どこで買うか”で結果が変わる
たとえば、僕が積み立てている全世界株式(オルカン)の信託報酬は、年0.05775%。100万円ぶん持っていても、費用は年間578円ほどです。
一方で、窓口で選ばれがちな商品は、信託報酬が年1%を超えることも珍しくありません。同じ100万円なら、年1万円以上。長く持つほど、この差は静かに効いてきます。
「たかが年1万円」と思うかもしれません。でも、この差は毎年1万円ずつでは済みません。手数料は、本来なら複利で増えていくはずだった利益からも、毎年引かれ続けます。長く運用するほど、”増えるはずだったお金”まで削られていく。10年、20年と積み立てるほど、その差は1万円どころか、何十万円という単位にふくらんでいきます。
同じ「NISA」でも、どこで・何を選ぶかで、引かれる費用は何倍も変わります。
ネット証券(我が家は、僕と娘2人がSBI証券、妻が楽天証券で運用しています)なら、こうした低コストの商品を、人を介さず自分で選ぶことができます。
そして、この「人を介さない」ことこそが、手数料を安くできる秘訣です。
「そんなの、私にはわからない」「自分でなんてできない」。そう感じる方もいると思います。でも、大丈夫です。やってみれば、意外と誰にでもできます。もし本当にわからなければ、家族や親族に聞いてみてください。友達に、お金の話や相談ってなかなかしづらいですよね。だからこそ、こういう時は身近な家族を頼っていいんです。
正しさを伝えても、人は動かない
「ネット証券のほうが、手数料が安いよ」。何度も伝えました。数字も見せました。それでも、人はなかなか動いてくれません。
「今さらスマホで証券口座なんて」「窓口の人が良くしてくれるから」「もう始めちゃったし」。あるいは、「今から新しく口座を作るのは面倒」「複雑でよくわからない」「今の口座を動かしたら、これまでの含み益がなくなって損する気がする」。挙げればきりがないほど、動けない理由は出てきます。その気持ちも、よく分かるんです。対面の安心感は、数字だけでは測れない価値があります。
これは「現状維持バイアス」と呼ばれる、人間の心のクセです。人は、変化を嫌います。たとえ自分の選択が不利だと頭では分かっても、「自分の選択は間違っていなかった」と、何かしら理由をつけてしまう。しかもその理由は、本来の目的であるはずの「お金を増やすこと」とは、まったく関係のないものだったりします。
たとえば、「窓口の担当の女性が本当にいい人で、あの人から始めたと思えば後悔しない」「あの人から入ってあげたかった」。そういう気持ちです。僕は、この考えを否定したいわけではありません。自分だって、営業してくれた人が誠実で純粋な人だと感じれば、そう思ってしまう気持ちは、よく分かります。
ただ、少し厳しい言い方をすると、相手はプロの営業マンです。好かれる営業として、時には猫をかぶってでも接してくる。なぜなら、利益になる商品を買ってもらう必要があるからです。本当にいい人だったのかもしれない。でも、その利益は担当者個人にずっと入り続けるわけではなく、銀行の利益として積み上がっていきます。
どんなにいい人であっても、自分の会社の商品を売るのは当たり前のこと。それが、その人の仕事なのですから。
正しさは、それだけでは人を動かす力にならない。これは投資に限らないなと、最近よく思います。
思い出してほしい。NISAを始めた”本当の目的”
気づけば、「感じのいい営業の人から始めること」が、目的にすり替わってしまっている。これは、誰にでも起こりうることだと思います。
でも、本当の目的は何だったでしょうか。非課税で、利益を得ること。1円でも多く、お金を手元に残すこと。そのためにNISAを選んだはずです。
であれば、手数料のような細かいところまで、きちんと気にしていいはずです。「ネット証券はなんだか不安」「メガバンクなら信用できる」。その感覚も分かります。でも、そこで止まらずに、一度”仕組み”を理解してみてほしいんです。
大切なのは、印象で選ぶことより、仕組みで選ぶこと。
少し怖い話をします。銀行から見れば、「よく分からないけれど、任せてくれる人」は、手数料を払い続けてくれるありがたいお客さんです。厳しい言い方をすれば、”いいカモ”です。そして銀行は、そういうお客さんのことを、静かにずっと見ています。
NISAを満額まで積み上げた頃。あるいは、退職金のようなまとまったお金が入った頃。そのタイミングを見計らって、熱心な営業がやってくる。そして、手数料の高い商品をすすめられる。これは、本当によくある話です。
だから僕は、こう決めています。営業の人とは、そもそも会わない。会う必要がないからです。相手は営業のプロ。話を聞けば、僕だって心が揺らいでしまうかもしれません。
おいしい話は、向こうからはやってきません。良い条件は、自分で探しにいくもの。「楽して、安心できて、信用できそうなところで」つい済ませたくなる。これは、僕たち日本人がつい陥りがちな弱さかもしれません。保険で損をしてしまうのも、たぶん、同じ理由です。
※ もし、この「目的」があいまいなまま、なんとなく始めてしまったなら。一度、立ち止まってほしいんです。目的がはっきりしないままでは、どこで始めるか以前に、判断の軸そのものがブレてしまいます。焦らなくて大丈夫。まずは基本から、学び直して戻ってきてください。

それでも、しつこく勧め続ける理由
少し前に、僕は実家の借金の話をブログに書きました。

お金の知識がないことの怖さを、僕は身をもって知っています。だからこそ、大切な家族には、同じ思いをしてほしくない。うるさいと思われても手数料の話をやめられないのは、たぶん、そういうことなんだと思います。
これから試してみたい”小さな一歩”
一気に全部を変えてもらうのは、ハードルが高い。だから、僕はこんなふうに、少しずつ声をかけていこうと思っています。
- まず、今持っている商品の「信託報酬」だけ、一緒に確認してみる
- いきなり乗り換えず、これから積み立てる分だけ、ネット証券で始めてみる
- 口座の手続きは、僕が隣で一緒に画面を見ながら進める
大事なのは「正しさで説得する」ことより、「一緒に、小さく動く」こと。そう思っています。
今日のまとめ
- NISAは「始めること」と同じくらい「どこで始めるか」も大事
- 窓口は選べる商品が限られる。ネット証券なら低コストの商品を自分で選べる
- 正しさだけでは、家族はなかなか動かない。一緒に小さく動くことから
- 大切な人とお金の話をすること、それ自体が親孝行だと思う

家族とお金の話をするのは、おせっかいじゃなくて愛情だと思っています。まずは「信託報酬、いくらか一緒に見てみよ」の一言から🌳
※この記事は、僕自身の体験と一般的な情報の共有です。特定の金融商品や証券会社の購入を勧めるものではありません。投資に関する最終的な判断は、ご自身の責任でお願いします。
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