投資信託の「信託報酬」、いくら払っているか言えますか。
僕は昔、答えられませんでした。払っている自覚すらなかったからです。

手数料って、買うときに取られるやつでしょ?そう思ってました。
信託報酬は、買うときではなく、持っている間ずっとかかります。しかも銀行の明細にもカードの利用履歴にも出てきません。
僕がこれを知ったのは、FP3級の勉強をしていたときでした。本番の試験にも出たのを覚えています。
逆に言うと、勉強しないと知る機会がないということです。
この記事では、何%が普通なのか・自分はいくらなのか・その差でいくら変わるのかを、順番に書きます。
信託報酬とは、持っている間ずっとかかる費用のこと
まず、投資信託の手数料は3つあります。
① 買うときの手数料(購入時手数料)
いまは0円のものが多いです。「ノーロード」と書いてあればこれです。
② 持っている間の手数料(信託報酬)
この記事の主役です。 持っている間、毎日かかります。
③ 売るときの手数料(信託財産留保額)
これも0円のものが増えています。
①と③は1回だけ。②だけが、持っている限りずっと続きます。
そもそも、何%くらいが普通なのか
先に相場を出しておきます。投資信託によって、10倍以上ちがいます。
| 種類 | 信託報酬の目安 |
|---|---|
| 低コストのインデックス型 | 年0.1%前後 |
| インデックス型の平均 | 年0.36% |
| アクティブ型の平均 | 年1.11% |
| アクティブ型で高いもの | 年2%前後 |
※インデックス型0.36%・アクティブ型1.11%は、2024年7月末時点の平均値です。
人が銘柄を選んで運用するアクティブ型は、手間がかかるぶん高くなります。指数に連動するだけのインデックス型は安く済みます。
同じ「投資信託」でも、0.1%と2%が同じ棚に並んでいます。
どこで買うかで、最初に目に入るものが変わります
ネット証券では、低コストのインデックス型が人気ランキングの上位に並びます。
窓口のある金融機関では、アクティブ型が目立つ場所に置かれることがあります。
どちらも同じ「投資信託」です。ただ、最初に目に入るものが変わります。
すすめられたものではなく、率を見てから決める。それだけで変わります。
自分がいくら払っているかの調べ方
3ステップで終わります。
1. 証券会社で保有商品の一覧を開く
2. 商品名をタップして「目論見書」か「費用」の欄を見る
3. 「信託報酬 年◯%(税込)」を確認する
参考までに、僕が積み立てているオルカン(eMAXIS Slim 全世界株式)は、2026年7月末時点で年0.05775%です。1万円あたり、1年で6円ほどです。
※数字は変わることがあるので、必ず自分の画面で確認してください。
いくら違うのか。0.06%と1%を並べます
数字を見たほうが早いです。
毎月3万円 × 30年
年5%で増えたと仮定した場合
| 信託報酬 | 30年後 |
|---|---|
| 年0.06% | 約2,469万円 |
| 年1.00% | 約2,082万円 |
| 差 | 約387万円 |

元本は1,080万円です。 そこに対して387万円の差です。
同じ金額を、同じ年数、同じリターンで積み立てても、これだけ変わります。
※年5%は計算の例です。実際にいくらになるかは誰にも分かりません。ここで見てほしいのは金額そのものではなく、差が開くということです。
なぜ、これほど差がつくのか
信託報酬も複利で効くからです。
引かれた分は、その後ずっと運用されません。「引かれた0.94%」だけでなく、「その0.94%が30年運用されたはずの分」まで消えます。

1%くらい誤差やろ、と思っていました。誤差ではなかったです。
リターンは読めませんが、手数料は最初から決まっています。
読めないものを当てにいくより、決まっているものを下げるほうが確実です。
たった1%、されど1%
お金の勉強をすればするほど、小さな%が大きな力に変わるんだなと思うようになりました。
住宅ローンも、仕組みは同じですよね。金利が1%ちがうだけで、返す総額が何百万円も変わります。
違いは向きだけです。投資では自分に積み上がり、ローンでは相手に積み上がります。
1%を軽く見ると、あとで数百万円の差になります。
仮に、5,000万円まで育ったとしたら
ここまでは30年後の話でした。もう少し先も見てみます。
野村総合研究所は、純金融資産の額で世帯を5つの層に分けています。

5,000万円から1億円が「準富裕層」です。NISAで長く積み立てた先に、この水準を見ている人も多いと思います。
そこまで育ったとして、信託報酬はいくらになるでしょうか。

1%の投資信託を5,000万円分もっていると、毎日1,370円ずつ引かれている計算になります。
毎日ランチ1回分が、気づかないうちに出ていく形です。
金額が増えるほど、率の差はそのまま金額の差になります。だから、少ないうちに見ておく価値があります。
※5,000万円は仮定の数字です。実際にいくらになるかは誰にも分かりません。区分は野村総合研究所の分類をもとに、こちらで作図しました。
いつ引かれているのか
毎日です。
正確には、基準価額(投資信託の値段)から、毎日少しずつ引かれた後の数字が表示されています。

だから、引き落としの通知も来ないし、明細にも出ません。
気づかないのではなく、気づけない形になっています。
ここまで数字を見てきましたが、それでも普段は意識できません。目に見える請求が来ないからです。
誰に払っているのか
3社で分けています。
| 誰に | 何をしている人 |
|---|---|
| 販売会社 | 証券会社や銀行。窓口・取引画面を用意している |
| 運用会社 | 実際に株を売買して運用している |
| 信託銀行 | 預けたお金を管理・保管している |
「証券会社に払っている」だけではありません。 3社で分け合っています。
高いから悪い、ではありません
信託報酬が高い=ダメ、ではありません。
人が銘柄を選んで運用するタイプ(アクティブ型)は、手間がかかるぶん高くなります。それで指数を上回る年もあります。
問題なのは、高いことを知らずに払っていることです。
知ったうえで選んでいるなら、それは判断です。知らずに払っているなら、それはただの漏れです。
今日やること
いま持っている投資信託の信託報酬を、1つだけ確認してみてください。
見るのは1か所だけです。「信託報酬 年◯%」の数字です。
0.1%を切っていたら、そのままで大丈夫です。
1%を超えていたら、すぐ売る必要はありません。 ただ、次に買い足すときの選択肢に入れておくだけで、30年後が変わります。
僕は昔、何%か知らないまま持っていました。知ってから変えるのは間に合います。知らないままだと、変えるきっかけが来ません。
戦うのは、自分自身です
将来のリターンは、誰にも分かりません。
でも、手数料は今日わかります。
読めないものを追いかけるより、決まっているものを整えるほうが早いです。
僕も投資15年目ですが、信託報酬をちゃんと見るようになったのは、ここ6、7年です。
一緒にコツコツ、ゆるっと資産形成していきましょう🌳




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