投資を始めると、多くの人が「聖杯(せいはい)」を探し始めます。
聖杯とは、”これさえあれば100%勝てる”という魔法の必勝法のこと。お恥ずかしい話、かつての僕も、本気でそれを探していました。
今日は、その「聖杯探し」がいかに危険か、そしてなぜ“遠回り”こそが一番の近道なのかを、正直に書きます。
- 「絶対儲かる」「月利○%」みたいな話に、つい心が動く人
- とにかく早く、投資で結果を出したい人
- 情報商材や投資サロンが気になっている人
投資初心者は、つい「聖杯」を探してしまう
聖杯とは、”これさえあれば100%勝てる”という魔法の必勝法。FXで言えば「絶対に勝てる手法」です。
でも、残念ながら投資の世界に100%はありません。それでも無知だった僕は、その”あるはずのない聖杯”を、ひたすら探し続けていました。
少し、当時の話をさせてください。
FXで負ける日々。それでも勉強だけは繰り返していたので、基本知識は少しずつ身についていきました。チャート分析(テクニカル分析)はある程度理解できるようになり、経済の動きから相場を読むファンダメンタルズ分析も、同時に把握する必要性を感じるようになっていきます。
このあたりから、自分はすっかり”中級者気分”でした。
そして、テクニカルやファンダメンタルズを発信しているSNSやYouTubeを見漁るようになります。「この人なら信じられる」「いいことを言っている」。SNSを通じて、守る力である資金管理の大切さまで学び、ますますのめり込んでいきました。
たしかに、発信の内容自体は理にかなっているんです。だからこそ、初心者や”自称中級者”を引き込む力がある。チャート分析も、環境把握も、資金管理も完璧に見えるその人を、僕は盲信しました。「この人を信じれば、100%勝てる」。本気でそう信じ込んでいたんです。
そう。気づけば僕は、その人自身を信じ込み、その人が言う手法こそが”100%勝てる聖杯”だと思い込んでいました。でも、繰り返します。100%がない世界で、100%を約束してくれる何かを探している限り、行き着く先は変わりません。
その”聖杯探し”を、詐欺師は狙っている
そして、そんなカモを狙う悪い詐欺師や業者が、世の中にはたくさん存在します。
謳い文句はだいたい「120%儲かる手法、お伝えします」「月利10%、20%」。投資経験者からすればあり得ない数字を、平気で勧誘してきます。
考えてみてください。投資の神様と呼ばれるウォーレン・バフェットでさえ、長期の利回りは年20%ほどと言われています。それを軽々と上回る利回りを謳う怪しい業者が、世の中にはゴロゴロいるんです。どう考えても、おかしいですよね。
それでも当時の僕には、その”あり得ない数字”が魅力的に見えていました。若くして大金持ちになりたい。資産形成に、とにかく焦っていたからです。
だから当時、インデックス投資の話を聞いても「年利5%…?どんだけ期間かかるねん」「誰がこんなんやんねん」と、本気で思っていました。
今思えば、この”焦り”こそが、一番のスキだったんです。焦っている人ほど、大きな数字に吸い寄せられますから。
つまり僕は、利回りの”基準”を知らなかったんです。何%が平均的で、何%からがハイリスクなのか。その物差しすら持っていない、全くの無知でした。
当時の自分に言ってやりたい。「ばかやろう」と。
だからこそ、後悔してきた分、周りの人や自分の子どもたちには、正しい金融知識を身につけてほしい。心からそう思っていますし、このブログを書いている理由のひとつでもあります。
仕事と同じ。1年目から稼げるわけがない
みなさん、お仕事はされていますよね。専業主婦(主夫)の方でも、最初は家事も育児も慣れなかったはずです。
僕は今の仕事が15年目になりますが、10年を超えたあたりで、やっと全てのノウハウを掴めた感覚があります。そこからようやく、自分の好きなように要領よく動けるようになりました。
つまり、1年目がどれだけ全力で頑張っても、定時でサッと帰る10年目の人には勝てない。これは当たり前のことです。
投資もまったく同じ。それなのに、なぜみんな「1年目から稼げる」と思ってしまうのでしょうか。
僕も「1ヶ月でものにできる」と思っていた
偉そうなことを言っている僕も、昔はまったく同じでした。なんなら「1ヶ月本気でやれば、ものにできる」と思い込んでいたんです。今思えば、その考えは浅はかで、甘すぎました。
本を読み、動画で学び、チャートに張りつく。知識が増えるほど「もう勝てる」という根拠のない自信だけが膨らんでいきました。でも実際の相場に出ると、想定外のことだらけ。学んだはずの知識が、その通りには機能しないんです。
仕事と一緒で、いろんな失敗を繰り返して、経験値という”時間”を積むことが、どうしても必要不可欠なんです。だから、高額なお金を払って、すぐに結果が出ることはあり得ません。
大谷翔平選手に100万円払っても、すぐは打てない
たとえば、大谷翔平選手に100万円を払って、野球を教えてもらったとします。それで成果が出るかというと、結局は本人の経験値次第ですよね。
野球をやったことがない人が教わったところで、いきなりホームランは打てません。一流に教わること自体は、間違いなくプラスです。でも、教わったことを自分のものにするには、素振りをして、打席に立って、空振りして。結局は、自分の体で経験を積む時間が必要ですよね。
投資もこれと一緒です。知識はお金で買えても、経験だけは買えない。お金を払った瞬間に上達する、なんてことはないんです。
遠回りこそ、一番の近道
結論です。投資で成功するには、高額費用を払う近道ルートよりも、7年かけて失敗し続けた”遠回りルート”のほうが、結果的に一番の近道になります。
ここで言う”遠回り”とは、ただ闇雲に負け続けることではありません。失っても生活が壊れない金額で、実際に相場に立つ。失敗したら原因を考えて、また試す。この地味な繰り返しで、少しずつ”自分の型”ができていきます。
僕自身、7年の遠回りの末にたどり着いた答えは、「インデックスをコツコツ積み立てる」という、拍子抜けするほどシンプルなものでした。でも、遠回りしたからこそ、この地味なやり方を心から信じて続けられているんです。
「遠回りがいちばんの近道」という言葉があるくらいです。聖杯を探してお金を溶かすより、自分の手で少しずつ経験を積む。それが、遠いようで一番たしかな道なんです。

「すぐ」「ラクして」「100%」。投資でこの言葉に出会ったら、一度立ち止まってください。近道を探すほど、遠回りになりますよ🌳
今日のまとめ
- 投資初心者は「聖杯(100%勝てる手法)」を探しがち。でもそんなものは無い
- その心理を狙う詐欺師が多い。バフェットでも年20%。それを超える話は疑う
- 仕事と同じで、稼げるまでには経験値(時間)が要る。1年目から稼げるわけがない
- お金を払っても経験は買えない。遠回りこそ、一番の近道
あわせて読みたい
▼ 1銘柄に全財産を賭けた同僚の話(聖杯探しの末路)

▼ 僕が「これだけは絶対やらない」と決めた5つのルール




コメント