高配当株を持っている方に、ひとつ質問です。
自分の配当金が、どの業種から、どれくらい出ているか。すぐに答えられますか。
僕は、答えられませんでした。
「セクターは分散させましょう」
そう言われて、業種がかたよらないように買ってきたつもりでした。
でも先日、数え方そのものが間違っていたことに気づきました。
株価で見ると、実態からズレます
セクターバランスを確認するとき、たいていは「評価額の何%か」で見ます。僕もそうしていました。
ただ、これには落とし穴があります。株価は動くからです。
たとえば銀行株や商社株のような景気敏感株は、1年で株価が大きく伸びることがあります。
そうすると、何も買い足していないのに、その業種の割合だけが勝手に増えます。
逆に株価が下がった業種は、配当がそのままでも割合が減って見えます。
つまり株価ベースの割合は、「自分がどこから配当をもらっているか」を表していません。
配当金で見ると、ブレません
高配当株を持つ目的は、配当をもらうことです。
なら、見るべきは「配当金の何%を、どの業種からもらっているか」のほうです。
株価は1年で大きく動いても、配当金が同じように動くことはめったにありません。
配当金ベースなら、数字が勝手に動きません。だから、去年と今年を並べて比べられます。

実際に数え直してみました
僕は高配当株を139銘柄持っています。これを配当金ベースで数え直しました。
結果は、思っていたより景気敏感が厚くなっていました。
株価が伸びたから、ではありません。配当金で数えても、そこに寄っていました。
つまり、いま僕がもらっている配当そのものが、景気敏感の業種から出ているということです。

自分では、分散しているつもりでした
数えてみるまで、気づきませんでした。
理由は、はっきりしています
高配当株を利回りで選ぶと、商社・銀行・資源・海運あたりが並びます。利回りが高いからです。
そして、そこはだいたい景気敏感です。
利回りの高い順に買っていけば、配当の出どころは、そこに集まります。
意識して選ばないかぎり、勝手にはバランスをとってくれません。
そもそも、景気敏感とディフェンシブって?
ここまで何度か出てきたので、整理しておきます。
景気敏感株
景気がいいときに大きく稼いで、悪いときに落ち込む業種です。
商社、鉄鋼、機械、化学、自動車、海運などです。
ディフェンシブ株
景気が悪くなっても、業績があまり変わらない業種です。
食品、医薬品、電力・ガス、通信、鉄道などです。
分け方は、こう考えると分かりやすいです。
不景気でも、ご飯は食べます。電気も止めません。薬も飲みます。
でも、不景気に新車を買うのは後回しになります。工場の新しい機械も、来年でいいかとなります。
その差が、そのまま業績の差になります。
偏っていると、何が困るのか
ここが、いちばん大事なところです。
高配当株を持っていて怖いのは、株価が下がることではありません。
怖いのは、配当が止まることです。
株価は、下がってもいつか戻ります。
でも減配されたら、その年の配当は、もう返ってきません。
そして景気敏感株には、特徴があります。
悪くなるとき、いっしょに悪くなるんです。
不景気になれば、商社も、機械も、化学も、同じタイミングで業績が落ちます。
配当の多くを景気敏感からもらっていたら、不景気の年に、配当がまとめて減ることになります。
僕が高配当株を持っている目的は、毎年、決まった額を受け取ることです。
その額が景気で大きく上下するなら、目的を果たせていません。
だから、バランスを見ています。

景気敏感が悪い、という話ではないんです
利回りは高いですし、稼ぐ力もあります。僕自身、いちばん多く持っています。
困るのは「そこだけに寄っていること」です。
実際に、減配もありました
理屈の話ばかりになったので、自分の話も書いておきます。
139銘柄も持っていると、毎年いくつかは減配されます。僕の場合は、年に片手で収まるくらいです。
数としては、多くありません。
でも減配のお知らせが来た日は、やっぱり気持ちが沈みます。
株価が下がっても平気なのに、配当が減ると効くんです。

これは自分でも意外でした
これが「配当を目的にしている」ということなんだと思います。
そして、減配以外でも銘柄は減ります。
TOBで買い取られて、持っていたくても手放すことになった銘柄。
決算に問題が出て、これはもう無理だと判断して手放した銘柄。
ちなみに、その銘柄はそのあと株価が上がりました。
持っていれば、プラスでした。
それでも、手放したことは間違っていなかったと思っています。
結果が良かったからといって基準を曲げたら、次からその基準は、使えなくなるからです。
分散しているつもりでも、1社ずつ見れば、こういうことは起きます。
ニュースが出ても、持ち続けた銘柄もあります
逆の話もあります。
大きなニュースになった会社でも、持ち続けた銘柄があります。
問題を起こしたのが子会社や取引先で、その会社そのものの稼ぐ力は落ちていないと判断したときです。
ここは、いつも迷います。
僕が基準にしているのは、ひとつです。
配当を出す力が落ちたのかどうか。ニュースの大きさではありません。
騒ぎが大きくても、稼ぐ力が残っているなら持ちます。
小さな記事でも、稼ぐ力そのものが崩れていると思えば手放します。
正直、いつも正解が分かるわけではありません。あとから間違いだったと思うこともあります。
何%が正解なのか、という話
いちばん気になるのは「じゃあ、何%ならいいの?」だと思います。
正直に言うと、正解の数字はありません。僕も持っていません。
業種の数だけ均等に割る、という考え方もあります。
でも、高配当の銘柄が多い業種と、そもそも少ない業種があります。きれいに割ることはできません。
だから僕が見ているのは、ひとつだけです。
ひとつの業種が、突出していないか。これだけです。
上から順に並べて、いちばん上が飛び抜けていなければ、そのままにします。
去年と比べて、その業種がさらに伸びていたら、そこへの買い増しを止めます。
数字を決めるのではなく、順番と変化を見る。僕には、このほうが続きました。
売って整える、はしません
いま持っている株が悪いわけではないからです。配当も、ちゃんと出ています。
それに偏っているところほど、安いときに買えていた銘柄が多いです。
いま売れば、利益は出ます。
でもそれは、金の卵を産むニワトリを売ってしまうのと同じです。
「売らない」と「塩漬け」は違います
ここまで読んで、こう思った方がいるかもしれません。

それ、塩漬けと何が違うの?
大事なところなので、書いておきます。
塩漬けは、下がった株をどうしていいか分からず、持ち続けてしまうことです。
配当も出ていない。業績が戻る見込みもない。それでも損を認めたくなくて、持っている。
僕が「売らない」と言っているのは、これとは別の話です。
配当は出ています。業績も落ちていません。持っている理由が、はっきりしています。
逆に、配当が止まって戻る見込みもない銘柄なら、僕は手放します。
「売らない」ではなく、「売る理由がないから、売らない」です。
ここは分けて考えています。
※塩漬けについては、別の記事に書きました。
→ 【塩漬け株】そのお金、死んでいます
正直、売りたくなった時期がありました
高配当株を始めて1年目のことです。
含み益が40万円くらいになりました。嬉しくて、舞い上がりました。

いま売れば、40万円もらえる
本気で、そう考えました。
でも、目的を思い出しました。
僕は売り買いで儲けるために高配当株を選んだわけではありません。毎年の配当金を受け取るために選びました。
ニワトリを食べてしまえば、その年から卵は受け取れません。
売りたい気持ちを抑えて、そのまま持ちました。

いまは、売りたい気持ちがありません
あれから数年、ただ持ち続けただけです。
含み益は数百万円になりました。正直に言えば、今すぐ売ってしまいたくなる金額です。
でも、売りたいと思わなくなりました。
配当は増配で、少しずつ増えていきます。
いまのペースがこの先も続くなら、10年ほどで、いまの含み益と同じくらいの配当を受け取れる計算になります。
(これはあくまで、今のままだったらという計算です)
そう考えたら、将来のほうが楽しみになりました。売りたい欲が、本当に消えました。

10年後のほうが、楽しみになりました
自分でも、少し成長したなと思った瞬間です。
これから買い増していくところ
僕がこれから買い足していこうと思っているのは、ディフェンシブ寄りの銘柄です。
景気に左右されにくい業種から、配当をもらう割合を少しずつ増やしていくイメージです。
一気には動かしません。毎月の買い増しのときに、選ぶ順番を変えるだけです。
売らずに、買うほうで直す。配当を減らさずに整えられるので、これがいちばんラクな方法だと思っています。

数え方は、意外とかんたんです
やることは、3つだけです。
- 持っている銘柄の、年間配当金を出す
持っている株数 × 1株あたりの年間配当。証券会社の保有一覧に出ていることが多いです。 - 業種ごとに、足す
銘柄の横に業種を書いて、合計するだけです。 - それぞれの割合を出す
その業種の配当 ÷ 配当の合計。
これだけです。僕はスプレッドシートに写して計算しました。
1回作ってしまえば、次からは数字を入れ替えるだけで済みます。
年に1回、まとめて見るくらいでいいと思っています。
毎月見ても、そんなに動きません。そこが配当金ベースの良いところです。
ETFは、どう数えるか
ひとつ、困ったことがあります。ETFです。
ETFは、中身がいくつもの業種にまたがっています。ひとつの業種には入れられません。
かといって、無視すると配当の合計が合わなくなります。
僕は「ETF」というひとつの枠を作って、そこにまとめて置いています。
厳密ではありません。
でも毎回同じように扱っていれば、去年と今年を比べることはできます。
ひとつだけ、決めておくこと
業種の仕分けには、はっきりした正解がありません。
たとえばサービス業や保険業を景気敏感に入れるか、ディフェンシブに入れるかで、数字が変わります。
大事なのは、どちらが正しいかではなく、毎回同じ仕分けで数えることです。
そうしないと、次に見たときに増えたのか減ったのかが分かりません。
これから高配当株を始める方へ
最後に、ひとつだけ。
これから始める方は、最初から配当金で記録しておくことをおすすめします。
僕が記録を始めたのは、1年目、40銘柄くらいになってからでした。
そこまでの分をさかのぼるのは、正直しんどかったです。
10銘柄のうちに始めていれば、数分で終わっていた作業です。
買った銘柄の横に、業種と年間配当を書く。それだけで、あとがまったく違います。

早いうちに始めるほど、ラクです
それともうひとつ。これは高配当株にかぎった話ではありませんが、投資を始めるなら、生活防衛費を先に置いてからのほうがいいです。
配当を待てるかどうかは、生活にゆとりがあるかで決まります。
→ 生活防衛費っていくら必要? 20代で大金を溶かした僕が重要視する理由
まとめ
- セクターバランスを株価で見ると、株価の動きで勝手にブレる
- 高配当株の目的は配当なので、配当金ベースで見るほうが実態に合う
- 数え直したら、配当の出どころが思っていたより景気敏感に寄っていた
- 利回りの高い順に買うと、配当の出どころはそこに集まる
- 景気敏感は「悪くなるとき、いっしょに悪くなる」。寄っていると不景気の年に配当がまとめて減る
- 売って整えない。売れば、その株からの配当がなくなる
- 次に買うときの選び方を変えるだけで、時間をかけて整う
- 「売らない」と「塩漬け」は別物。売る理由がないから売らないだけ
- 減配・TOB・決算の問題で、銘柄は毎年いくつか減る。だから1つに寄せすぎない
- 手放すかどうかは、ニュースの大きさではなく「配当を出す力が落ちたか」で見る
- 結果が良かったからといって基準を曲げない。曲げたら、次から使えなくなる
- 正解の%はない。ひとつの業種が突出していないかだけを見る
- 仕分けの基準は毎回そろえる
「分散しているつもり」がいちばん危ないです。
数えてみるまで、僕も気づきませんでした。
※すべて僕自身の記録です。特定の銘柄や売買を推奨するものではありません。
※業種の分類は僕の基準によるもので、公的な区分とは異なる場合があります。



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